地域の中小企業に未来を。和歌山から広がる経営支援 〜シェアオフィス入居者紹介〜

和歌山に根ざした「起点」として
「和歌山で “経営の相談所” をやりたい」――幼馴染の竹内所長から声をかけられ、2年前に踏み出した新しい一歩。そのころ、吉野さんは「会計事務所の仕事かな…?」と思っていたのもつかの間、迅速に補助金や経営改善の支援分野へ全力投球。これまでのメーカーや現場経験を武器に、今では事務所の中心メンバーとして奮闘しています。
相談相手ではなく“立案の伴走者”であるために
「主に和歌山県内の中小企業様向けの支援をしています」と語る吉野さん。一般的なコンサルティング会社のように営業をかけるのではなく、和歌山県信用保証協会や地域の金融機関と連携し、支援を必要としている企業からの依頼に応える形で業務を行っています。
補助金申請から事業計画策定、返済スケジュールの調整まで幅広く対応し、企業の経営改善を「お客さまの支援」として中長期で伴走する姿勢が特徴です。
一歩進んだ支援のかたち
吉野さんが手がけるのは、単なる数字合わせの経営相談にとどまりません。小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金といった制度を活用し、じっくりとヒアリングを行いながら事業計画書を作り上げます。計画書づくりには40〜50時間を要することもありますが、それをやり切ることで「補助金を活かして次の一歩を踏み出す企業」を後押しできるのだそうです。
さらに、銀行返済のリスケジュールを含む経営改善計画の策定、ホテルの販促計画やホームページの立ち上げ支援など、現場の課題に即した幅広いサポートを展開。数字だけでなく「企業の未来の形」を描くのが、吉野さんの支援の真骨頂です。
税務の枠を超えた“未来を描く仕事”
事務所に入る前は「税理士業務が中心かな?」と思っていた吉野さん。しかし実際には、補助金や経営改善といった “未来を描く仕事” が多く求められることに驚いたそうです。
そこで自ら学び直し、銀行や経営者との会話の中で “経営の全体像をどう見せるか” を意識するようになったとのこと。財務の数字に加え、マーケティングや人材戦略、組織体制までを含めたアドバイスを行うことで、単なる会計サポートを超えた領域に踏み込むことができるのです。
「ただ申告を手伝うのではなく、 “一緒に未来をつくるパートナー” として関われるのがやりがい」と語る姿から、強い責任感がにじみます。
シェアオフィスの“居心地”が生むつながり
“ここだからこそ、働ける心地よさ” が実感できる場所。それがPark Biz WAKAYAMAでした。窓のある開放的な執務スペースに加え、無料で使える会議室や、ちょっとした気分転換や打ち合わせに活用できるカフェスペースがある点もお気に入り。
「ここでお客様と話すと反応が全然違う」「リラックスした雰囲気で相談できるから話が深まる」と話す吉野さん。単に机を借りるオフィスではなく、人との関係性や信頼感を築ける場であることが、日々の業務を支えているのだといいます。
今、思い描いている未来図
「もっと多くの中小企業に気軽に相談してもらいたいし、事業も拡大していきたい!」
ただ、コンサルティングの仕事は一件一件に深く時間をかけるので、お客様を増やして規模を大きくすれば良いというものでもありません。「お客様に提供するサービスの質を落としたくはない」という葛藤も。現実的なステップとしては、「一緒に働くパートナーを迎えること」や「拠点としての事務所をもう一歩広げること」を考えているそうです。
無理に数を追うのではなく、しっかりと目の前のお客様に寄り添いながら、着実に地域に根を張る姿勢が伝わってきました。
おわりに ― 補助金と会計だけじゃない、“未来を描く伴走者”
会計・税務だけでなく、販促・経営改善・補助金戦略など、経営のあらゆる角度に明るい吉野さん。中小企業が抱える課題に、親身になって対応するその姿勢には、「ここで相談できる安心感」が詰まっています。
「支援によって企業が息を吹き返す瞬間が一番嬉しい」と語る吉野さんこそ、地域の経営者にとっての “心強い伴走者” そのものです。