世界と和歌山をつなぐ架け橋に。~ シェアオフィス入居者紹介 ~

南海電鉄・ラファエルさんが見つけた“挑戦”の形
「東京や大阪だけじゃない。和歌山にも素晴らしい魅力がある。それをもっと世界に届けたい」
そう語るのは、南海電気鉄道株式会社 社長直轄プロジェクトのツーリズム戦略担当で、和歌山市駅すぐ近くのシェアオフィス「Park Biz WAKAYAMA」で働くラファエルさん。
フィリピン出身の彼は、言葉の壁を越えて、日本の地方観光を世界へ発信するという大きな挑戦の真っ只中にいます。

アニメがくれた“最初のきっかけ”、そして日本語、和歌山へ
「最初は、字幕なしでアニメを理解したかったんです(笑)」
そんな動機から始まった日本語の勉強が、やがて「これをキャリアにできるかもしれない」という思いにつながっていきました。
コロナ禍をきっかけに語学学習に本格的に取り組み、IT業界での仕事を経験したのち、「もっと広い分野で、自分の力を試したい」と考えるように。たどり着いたのが、観光を軸にした南海電鉄での仕事でした。
「和歌山って、日本人でもあまりよく知らない人が多い。でも実は、すごくいい場所がたくさんあるんです。だから、僕はそれを、もっと海外に伝えていきたいと思いました」
「自分のペースで、深く考える」シェアオフィスでの働き方
2024年3月、南海電鉄がPark Biz WAKAYAMAのシェアオフィスに入居。そのタイミングからラファエルさんもこの場所を拠点に働いています。
「駅に近いから出張にも便利だし、和歌山県内の移動もしやすい。毎日出勤するにあたり、交通の利便性はやはり大事ですね。」
お気に入りは、2階にある自分たちの執務スペース。窓から光が入り、ちょうどよい静けさで、集中したい作業にもぴったりだと言います。
「誰かに話しかけられて集中が途切れることもないし、自分のペースで深く考えられる。動画編集や企画づくりには本当にありがたい環境です」
フォンブースやキッチンも日常的に活用し、「働く場所として、すごく整っている」と話します。

世界へ届ける、和歌山の“まだ知られていない魅力”
ラファエルさんが今、力を入れているのがインバウンド観光に向けた情報発信です。自ら撮影・編集した動画を通じて、和歌山の観光地や文化、地元の商品を紹介しています。
「地元では当たり前に知られているような和歌山城やマリーナシティ。そういう“背景にストーリーがあるもの”を丁寧に伝えると、海外の人も“行ってみたい”と思ってくれるんです」
ラファエルさんは、観光地の見どころをただ紹介するだけでなく、そこにある文化や歴史、人の営みを含めて「伝える」ことにこだわっています。それが、地域の価値を掘り起こし、未来につながると信じているからです。
(ラファエルさんが作成した動画はこちら:https://youtube.com/@laughroughchannel?si=FAZJX-TsNB8A2q9O)
コワーキングスペースだからこその「たまたまの出会い」
「ここでは、たまたま隣に座った人との会話から、新しいアイデアが生まれることがあるんです」
ラファエルさんは、同じフロアに入居する企業との交流も刺激になっていると話します。Park Biz WAKAYAMAに入居する企業の多くはまちづくりをテーマにする企業。価値観も近く、自然にコラボレーションの話も生まれたそうです。
「本社にいるだけでは、こういう出会いはなかなかない。でも、Park Biz WAKAYAMAなら、それが“日常”の中で起こる。すごくいい環境だと思います」
「まちづくりは、電車に乗ってもらうための第一歩」
「私たち南海電鉄は、ただの交通会社ではないと思っています。まちを元気にすることが、最終的には“電車やバスに乗ってもらう”ことにつながる。全部、つながっているんです」
ラファエルさんは、観光や地域経済の活性化と、南海電鉄の本業である交通インフラとを切り離して考えていません。
たとえば、和歌山の歴史ある商品や土地の文化を紹介し、それが話題になり、観光客が増えれば、自然と地域全体の活力が上がる。そして、交通機関の利用者も増える。
「湯浅の醤油や、紀の川のフルーツ。そういった地域の誇りを、ちゃんと海外にも届く形で伝えたい。それが観光をきっかけに、まちの価値を上げていくことになると思うんです」

目指すのは、「地域と企業が一緒に育つ未来」
「将来的には、Park Biz WAKAYAMAに入っている企業のみなさんと、もっとコラボレーションしていきたいんです。和歌山だけじゃなく、日本全国をフィールドに、いろんなプロジェクトをつくっていけたら」
そう語るラファエルさんは、“地域だけでも、企業だけでもない”、その両方がつながる未来を思い描いています。
「そういう連携ができれば、会社にも地域にもメリットがある。自分たちだけで成長するんじゃなくて、まわりの人やビジネスも一緒に育っていけるような関係を築きたいんです」
「和歌山の魅力を、世界に伝える」その挑戦はこれからも続く
母国を離れ、日本語を学び、和歌山という土地で新しい挑戦に立ち向かうラファエルさん。
その原動力は、ただひとつ。
「和歌山の魅力を、世界に伝えたい」
Park Biz WAKAYAMAは、そんな挑戦を支える拠点であり、仲間と出会い、アイデアが生まれ、実行していける場所。
ここからまた、ラファエルさんの次のプロジェクトが始まろうとしています。